LGBTQ+と医療問題:医療者同士のQ&A
LGBTQ+の e-learning レクチャーの要点まとめの最終回になります。
今回は「経験のある医療者への質問集」です。すでにAllyを表明して経験豊富な医療者たちにノウハウを教えてもらうという内容。
当院は小児科なので、患者さんと直接やりとりする機会は少ないと思われますが、いろいろ参考になりました。
まずやるべきことは、知識の周知でしょうか。また、患者取り違えのための確認システムとプライバシーほどのジレンマをどう解決するかがポイントと思われました。
<シリーズ内容>
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▶ 先行して取り組んでいる医師への質問
Q1. トランスジェンダー患者の検査の基準値はどのように考えるべきか〜男女で基準値に差があるときはどちらを採用すべきか。
Q2. ホルモン療法や性別適合手術を希望するトランスジェンダー患者の紹介先。
Q3. LGBTQ+対応を始めたいけど、何から始めたらよいのか分からない。
Q4. 先行してLGBTQ+対応を始めている施設がうまくいったコツ。
Q5. スタッフの教育時間や教材を確保することが難しいとき。
Q1. トランスジェンダー患者の検査の基準値はどのように考えるべきか
・明確な基準はないが、ホルモンの状態に沿って判断するのが妥当とされている。ホルモン療法の影響の可能性も含め、丁寧に説明すべし。
(当事者の声)
✓ 健康診断で、基準値外で引っかかり精密検査をしたところ、ホルモン療法による変化で実際には問題なかったというケースをよく聞く。
✓ トランス女性であっても体は男性、と思い込んでいる医師がいて困る(トランス女性)。
Q2. ホルモン療法や性別適合手術を希望するトランスジェンダー患者の紹介先
・性同一障害に関する診断と治療のガイドライン(第4版改、2012年)に従い、まずは性別違和・性別不合の診療ができる精神科医に紹介する。
・日本GID(性別不合)学会が出している認定施設一覧を参照。
(当事者の声)
✓ トランス女性は個人輸入のホルモン剤も使えてしまうため、医師から適切な病院の紹介があると良い。
✓ 学会が出しているリストやインターネットの口コミも参考にしている。
Q3. LGBTQ+対応を始めたいけど、何から始めたらよいのか分からない
・e-learning「医療者のための実装支援ツール」を参考に、個人でできる対応から実践することを勧める。
・同じ部署の同僚と「実装支援ツール」を見ながら話をしてみる。
・院内で勉強会を実施し、一緒に取り組める仲間を見つけ、チーム作りをする。
(当事者の声)
✓ 嫌な思いをした当事者は、それを伝えずに病院を替えることが多いので、病院側にも実態を知ってもらえるとうれしい。
Q4. 先行してLGBTQ+対応を始めている施設がうまくいったコツ
・できることから始めて、そこから広げていく。知らないことを質問・共有できる仲間作りをする。
・困っている患者さんがいること、病院の職員の中にも当事者がいることを施設内で伝えている。最初の一歩として声を上げると、共感を示す周囲の人は意外と多い。
・病院幹部を対象に有用性・必要性を伝える。
・病院内でチームを作り、委員会開設につなげる。
(当事者の声)
✓ 病院職員の中にも当事者がいるという視点を忘れないで欲しい。
Q5. スタッフの教育時間や教材を確保することが難しいとき
・年間計画の中に入れておく。担当を決めておく。
・時間の確保、最初のきっかけ作り、動機を作る。管理者からの推奨や当事者の方を招いての勉強会などは大きな動機づけになる。当事者に会ったり、学んだりして自分の周囲にLGBTQ+当事者がいる可能性に気づくと、職員に学ぶ意欲が出てくる。
・教材として M'Ally(マリー、Medical Ally Project) の e-learningコンテンツや、YouTube などが活用できる。
(当事者の声)
✓ 勉強会で当事者を招きたいときは、当事者団体などに公開されているメールアドレスなどで相談してみるとよい。
✓ 当事者は多様であるため、絶対視するのではなく、一つの意見として聞いてもらえると良い。
<参考>
・モヤモヤ相談室(セイシル)
LGBTQ+と医療問題:医療者側から当事者への質問集
LGBTQ+の e-learning のレクチャー内容から、基礎知識、健康問題、医療問題、カミングアウトへの対応、と記してきました。
前回、「患者側が困っている、医療者側も困っている」と書きましたが、今回はその医療者側からの質問と回答を扱います。
LGBTQ+の方々の生の声を聞いた印象がありました。
とくに「LGBTQ+当事者への対応として考えるよりも、どの患者さんが当事者であっても安心して過ごせる体制を作る」という意見に大きく肯きました。
性感染症を扱う専門医から「同性愛も含めて問診しないと誤診につながる」と聞いたことがあります。
小児科領域で、神経発達症の療育で用いられているスキルは、子育て全般に応用可能で有用である、とされています。これと同じですね。
部屋割りの問題は、学校のトイレと同じで、すべて個室にしてしまうと解決で基礎な気がしました。が、コストがかかりますね。
基本的に「プライバシーを守る」「個人個人で事情が異なるため本人から希望を聞く」ことが大切だと感じました。
最後の質問Q6については私自身の問題でもあります。e-learning を修了してAllyを表明できるようになっても、Allyマップに登録することは躊躇されます。理由はまだスタッフに周知していないから。スタッフにも適切な研修を受けてもらい、医院全体の体制が整った時点で登録を考えたいと思います。
昨今の医療現場は「ペイハラ」の脅威にさらされています。こちらが良かれと思ってしたことでも、気に障るとクレームを口コミに投稿され、医療者は落ち込んでしまいます。
Ally表明の条件として、ペイハラ問題の解決(クレームは実名表記とか)も大切だと思います。
<シリーズ内容>
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▶ LGBTQ+当事者への質問
Q1. LGBTQ当事者の方かも、と思った場合、医療者側から聞いた方がよいのか?
Q2. トランスジェンダーの方が入院する場合、部屋の選択はどのようにするとよいか?
Q3. 直腸診や、婦人科・泌尿器科的な問診・診察をする際、配慮した方がよいことは?
Q4. 身体診察をする際に、服を脱ぐことについてはどのように感じているのか?
Q5. どういう医療機関であれば安心して受診できるのか?
Q6. Allyマップに登録したいが自信がないことについて、当事者の視点でどう思うか?
Q1. LGBTQ当事者の方かも、と思った場合、医療者側から聞いた方がよいのか?
・興味本位で聞くことは避けるべき。
・医療を提供する上で必要な情報がある場合には、その旨を説明した上で尋ねる。
・必ずプライバシーが守られる場で聞く。
(当事者からの回答集)
✓ ダイレクトに聞かずに、これまで受けた治療歴や手術歴などを聞くとよい。
✓ 診療上必要なこともあると思うので、プライバシーが守られる場所で理由とともに聞くのはよい。
✓ 聞く意図が分からないと聞かれてもカミングアウトしない。意図を伝えて欲しい。LGBTQ+当事者への対応として考えるよりも、どの患者さんが当事者であっても安心して過ごせる体制を作ってもらえるとうれしい。
Q2. トランスジェンダーの方が入院する場合、部屋の選択はどのようにするとよいか?
・まず、本人に確認することが大切。
・トランスジェンダーの方は性別移行の段階について多様性があるため、それぞれの状況に応じてどこまで希望に添えるか相談しながら決める必要がある。
(当事者からの回答集)
✓ 個人個人違うので本人に確認して欲しい。特に確認されず男性部屋を割り当てられたり、入院時のネームプレートを自分だけ名字のみにされたりと、嫌な思いをしたことがある(トランス男性)。
✓ 個人によって求めることは異なるし性別移行の段階にもよる。気持ちとしては女性の病棟に入院したいが、現実的にはイビキが男性の声に近いなど気を遣うので、できれば個室に入りたい(トランス女性)。
Q3. 直腸診や、婦人科・泌尿器科的な問診・診察をする際、配慮した方がよいことは?
・選択肢を伝えることで受診のハードルが下がり、疾患の早期発見につながることもある。
・異性愛のみを前提としたコミュニケーションをしない。
(当事者からの回答集)
✓ 婦人科で膣からのエコーを肛門からのエコーに代用できると聞き、初めて検査をしてもらったら、進行した病気が見つかった。選択肢があるのなら、最初から教えて欲しい(トランス男性)。
✓ デリケートな部位であり、当事者の複雑な心理もある(性別適合手術を受けていたとしても)。治療や検査方法を説明しながら進めてくれると安心できる(トランス女性)。
✓ 性感染症にかかったとき、泌尿器科医から風俗に行ったのかと言われた経験あり。同性愛の人がいるかもしれないという認識がないのだろうが、異性愛のみを前提とした言い方はやめて欲しい(ゲイ男性)。
Q4. 身体診察をする際に、服を脱ぐことについてはどのように感じているのか?
・服を脱ぐことへの抵抗は、LGBTQ+当事者に限ったことではない。必要性の説明と、プライバシーに配慮した対応が求められる。
(当事者からの回答集)
✓ 必要ならば仕方ないが、服を脱いだ状態で並ぶのは精神的につらい(トランス男性)。
✓ 医療として必要なら気にならない。検査などで他の女性と一緒に着替える場面では、気づかれるかもと不安になる(トランス女性)。
✓ 診察場面では特に気にならない。LGBTQ+のみならず、体に見られたくない傷があるなどで個室が欲しい人もいるのではないか。人により違うので本人に確認して欲しい(ゲイ男性)。
Q5. どういう医療機関であれば安心して受診できるのか?
・Allyであるサインや情報を医療機関側から示すことが大事。LGBTQ+の取り組みを行うことは、誰もが受診しやすい医療機関作りにもつながる。
(当事者からの回答集)
✓ 病院に入ったとき、レインボーフラッグなどの掲示やAllyバッジをつけた職員がいると安心する。
✓ 一人の患者として自然に接してくれるとよい。LGBTQ+当事者も人それぞれで正解はない。本人に確認し、対応してくれる病院が安心できる。
✓ さまざまな差別・格差に取り組んでいる病院は安心できる。その一つにLGBTQ+があるとよい。それらの情報をHPに公開している病院には行きやすいので、取り組みをしている施設は公表して欲しい。
Q6. Allyマップに登録したいが自信がないことについて、当事者の視点でどう思うか?
・「たとえ希望が叶えられなくてもサポートする意思を表明してくれる医療者がいるだけで安心する」」という声は多く寄せられている。
・全国にAlly医療者の輪が広がり、それが可視化される意義は大きい。
(当事者からの回答集)
✓ 「当事者が来ても驚かない」れべるなら登録をしてもらえたらうれしい。トランスジェンダーは受信拒否されることが多く、遠くまで通院している人も珍しくないという切実な状況にある。
✓ 基本を学ばれた医療者であれば、ぜひ意思表明をしていただきたい。すべてを理解してもらえるとは当事者側も思っていないので、聞く姿勢を持ってもらえれば問題ないと思う。
✓ 前向きな姿勢があればぜひ登録して欲しい。カミングアウトしていなくても安心して受診できると思う患者さんが増えるはず。Ally医師が全国にいることが可視化されることで、健康なときでも安心材料になる。
LGBTQ+と医療問題:カミングアウトへの対応
LGBTQ+について、基礎知識、健康問題、医療問題と綴ってきました。
では実際に患者さんからカミングアウトされたとき、どう行動すればよいのでしょう。私自身、適切な行動がすぐに頭に浮かびません。
少し話題はずれますが、小児科医である私のところには、神経発達症の子どもが多く受診されます。昔は家族からの申告はほとんどありませんでしたが、近年、「発達障害」から「神経発達症」へ病名変更されてからは以前ほど抵抗感がなくなり、知らせてくれることが多くなりました。また、WEB問診で「診察に際して配慮すべきことがあればご記入ください」という文言を入れてから「神経発達症と診断されているので椅子に座っていられず動き回ります」とか「感覚過敏があるのでのどを見るのを嫌がります」と教えてくれるようになりました。
では、レクチャー内容からポイントと感じた箇所を引用・抜粋させていただきます。
難しいと感じた点がいくつか。
・カミングアウトを受けたときに「共感して良かれと思って言うことがそう思われないこともある」「気づかない間に相手を傷つけることがある」点。
・カミングアウトを受けたときに、どの範囲までアウティングすべきか・・・基本的に患者さんの希望に沿いますが、通院している疾患の治療と関連する場合は基本的にスタッフ間で共有すべき情報なのですが・・・。
・アウティング対策は病名を隠したい癌患者や精神疾患患者等と共通する事象。「52ヘルツのクジラたち」でも登場人物の一人がアウティングにより自死を選択する場面がありました。
・・・いずれの点も悩ましい。
<シリーズ内容>
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▶ カミングアウトを受けたときの対応
(STEP1)メッセージを受け取ったことを伝える
(STEP2)カミングアウトの内容・詳細について
(STEP3)カルテへの記載・記載方法の確認
(STEP4)患者が「安心な状態」であるか
(STEP1)メッセージを受け取ったことを伝える
⭕️ カミングアウトしてくれたことへの感謝の意を表す。
(例)「打ち明けてくれてありがとうございます」「教えてくださってうれしいです」「話してくださりありがとうございます」
❌️ カミングアウトを否定する。
(例)「え、まじですか」
❌️ 過度な反応
(例)「そうなんですか、知らなかったです!」
❌️ 過度に共感を示したり、理解していることをアピールする。気づかない間に相手を傷つけることがある。良かれと思って言うことが、そう思われないこともある。
(例)「知ってました」「気づいてましたよ」「気にしなくて大丈夫ですよ」(ネガティブなことのように慰める)「あなたのような人はいっぱいいます」(乱暴なカテゴライズ)
(STEP2)カミングアウトの内容・詳細について
・カミングアウトの程度や内容については基本的に本人に任せる。むやみに検索しないで待つ姿勢が大事。
① 患者が話したいことの確認と促し:
(例)「何か気になること、気をつけて欲しいことはありますか?話せる範囲で自由にお話ください」
② 医療者が患者に確認する必要がある場合:
(例)「診察や処置の内容に関係するので、もう少し詳しく聞かせてください。言いたくないことは言わなくていいですよ。」
③ 患者に確認が必要と思われる場面:
・薬剤の相互作用の確認を要する。
・性別適合手術などの状況を確認する病態である。
・自殺念慮がある。
・急を要する病状であり、第三者との連絡が必要。
④ 尋ねるときの配慮:
・前置きの言葉:「診察や処置の内容に関係するので」
・必要性の説明:「緊急の対応時に」「書類の手続きに」「手術の同席が必要なので」
・本人の希望:一緒に聞いて欲しい人の有無など。
(STEP3)カルテへの記載・記載方法の確認
・カルテに記載することのメリット・デメリットを伝えて、記載するかしないかを検討する。
① カルテに記載する意味の説明:
(例)「今聞いたことは診療に必要な情報なので、カルテに書いても良いですか?」
② カルテを閲覧できる範囲の説明:
(例)「自分ではない他の診療に関わる医療者・スタッフがこれを見る可能性があります」
③ カルテ記載のメリット・デメリット:
(メリット)関係職員らとの共有により、医療提供体制における合理的配慮を検討しうる。
(デメリット)診療記録に書くことで生じる懸念・・・想定外の医療者まで情報共有がされる。
★ カルテに書いて良い場合:カルテへの記載確認や情報の共有範囲を話し合う。
<アウティングを予防するためにも重要なこと>
・カミングアウトしている相手、絶対に隠しておきたい相手や、その内容についてを確認し記載する。性的少数者の中には、家族や身近な人にカミングアウトをしていない人もいる。関係性については本人の表現をよく聞き、記載する。記載する場所や記載方法について、カルテシステムに合わせて検討しておくとよい。
→ 本人の終診時や意識不明時などにおける、来訪者や問い合わせにも対応できる。
・病状説明などの注意を要する記載場所に記載する等も一案である。多くの医療従事者が閲覧しやすい「診療記録(2号紙)はやめておく(別の場所へ記載)。
(記載例)
・「セクシュアリティに配慮を要する」・・・端的に記載し、必要に応じてお尋ねする。
・着替え、検査・入院等のセクシュアリティやジェンダーへの配慮に活用する部分に限定して記載する。
・事前に院内や診療科ごとで決めておく。
・記載した後に、患者と一緒に記載内容を確認することもよい。
★ カルテに書いて欲しくない場合
<デメリットを説明>
・情報共有されないことで、その都度カミングアウトしなければならない場合がある。
(例)「今回お伝えいただいたことが、また必要なときにはその都度伝えていただけますか」
・「患者を説得してカルテに書く」ことは医療従事者としては適切な行為ではない。
・「カルテに書いて欲しくない」という患者の気持ちを尊重することが大切。
(STEP4)患者が「安心な状態」であるか
・次につなげる終わり方、カミングアウトして良かったと思ってもらえる終わり方
(例)「何か気になることがあれば、いつでもおっしゃってください」「言いにくいことがあれば紙に書いて、次回持ってきていただいても構いません」「今日の診察でお話ししたことはアウティングにつながることはありませんのでご安心ください」
・次回の診察までに緊急時の対応や書類手続き、一緒に聞いて欲しい人等について、一度持ち帰って書いてきていただく。
・カミングアウトしてくれたことへの感謝を伝える。
▶ アウティングの危険性と予防
(STEP1)アウティングとは
(STEP2)アウティングがはらむ危険性
(STEP3)アウティング防止
(STEP1)アウティングとは
・性自認や性的指向などを本人の了承を得ずに他人に伝えること。
(例)受付で見た目と名前・性別に違和感を感じたとき「あなたの名前は〇〇△△で合っていますか?」「性別は◇◇」で合っていますか?」と確認した。
→ 周囲の人に聞こえていないか?予期せぬアウティングになっていないか?
(例)スタッフ同士の会話にて「あの患者さん、ゲイらしいよ」「あのひと、見た目は男性だけど女性らしいよ」と話をした。
→ 患者本人から情報共有の許可は得たか?診療に必要か?
※ 診療情報:診療の過程で医療従事者が知り得た患者の身体状況・病状・治療等についての情報は個人情報であり、患者本人の守られるべき大切な情報。
(STEP2)アウティングがはらむ危険性
・一度アウティングが起きると、なかったことにできない。
・アウティングされた人の人生を大きく変えてしまう可能性がある。
・医療機関でアウティングされたら・・・傷つく → 不安になる → 受診のハードルが高くなる → 病状悪化の可能性が発生。
(STEP3)アウティング防止
① 個人レベル:自分でできること
・個人情報は必要性を考えて尋ねる。
・尋ねる際は、周囲の人に伝わらないように配慮する。
・知り得た情報は慎重に扱う。
・情報共有する際には本人の許可のもとに行う。
② 職場レベル:自分と周囲への働きかけ
・安易な情報共有は行わない。
・アウティングにつながる発言に対しては働きかける。
・診療に必要なため共有された情報は、より慎重に扱う。
・知り得た情報を元に配慮する際も、望ましい対応は患者毎に異なるため、患者と検討するよう働きかける。
③ 病院レベル:病院のシステム
・医療規模や状況に合ったルールやハード面の整備をする。
✓ 初診時の情報確認
✓ 問診票の取り扱い
✓ 診療記録システム
★ アウティングの悩みの相談先
① よりそいホットライン:0120-279-338
(岩手県、宮城県、福島県からは 0120-279-226)
② DR's Net 医師向け Ally マップ
・Ally 医師のメールアドレスを掲載(希望者のみ)
LGBTQ+と医療問題(各論)
LGBTQ+の基礎知識、健康問題に引き続き、医療における問題を記します。
当事者たちは医療機関受診にハードルを感じていますが、医療者側も「どう接してよいのか分からなくて困っている」のが現状です。
それを紐解いていきましょう。
やはり、「隠したい患者側」と「取り違えが内容確認したい医療側」の思いがすれ違うジレンマが発生しがちです。医療側が配慮すべきは「プライバシー保護に留意しながら確認できるスキル」を磨くことですね。
また、「子どもでも同様」と簡単に書いてありますが、具体的には何歳くらいから対応が必要なのか、保護者との確認事項はどの範囲か、等々情報不足が否めません。
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▶ LGBTQ+の人々が医療機関で直面する困難
トランスジェンダーの人のうち、約半数が「医療機関受診時に嫌な体験をした」ことがあり、医療者の無理解に基づく対応が医療アクセスの障害となり得る。
(例)
・医師に性的指向を打ち明けたところ、生き方を否定され説教されて傷ついた。
・精神疾患で受診した際、その一因である性的指向・性自認の話ができない。
・受付で戸籍上の名前が呼ばれるため、受診しづらい。
▶ 入院中の問題と対応:病室
・日本の入院設備の大部屋は、一般的に男女別となっている。
・トランスジェンダー:男女別の病室の場合はその旨を説明し、本人の希望を含めて検討する。表示名を保険証の記載とは異なる名前を使いたい可能性もある。保険証と異なる性別の病床へ入院希望があった際は、懸念事項を話し合うことから始めてみる。
・病室やベッドの名前表示を非表示にする対応が可能かどうか検討する。
▶ 入院中の問題と対応:面会
・クロゼットLGBTQ+(カミングアウトしていない状態・人、対義語:オープンリー)の方への面会時、病状の情報共有範囲は本人の意思を尊重し、アウティング(周囲に知らせること)を避ける。
・面会希望者が来院した際の対応について、事前に尋ねておく。
・患者が子ども・未成年の場合にも、上記と同様に本人の意思を尊重したい。
▶ 同性パートナーに関する医療現場での現状
同性パートナーが医療機関で「家族」と見なされず、病状説明を求めることや医療行為への同意、付き添いを認められていない現状がある。
(例)
・パートナーが入院したが、病室での付き添いをさせてもらえない。
・意識不明状態のパートナーについて外科手術が必要となったが、法律上の親族の同意が必要だと言われた。
・反対に、医療機関側が、意識不明状態の患者について、安否・治療内容などの情報を患者の同性パートナーに提供してよいのか戸惑った。
▶ 病状説明時の問題と対応:Q1. 法律上の家族への病状説明なら問題ないか?
・病状は個人情報です。法律上の家族でもあらかじめ本人の同意を得る必要がある。
※ 家族:“家”によって「結ばれた繋がり、共同体」のことであり、一般的には「夫婦や親子その他の血縁」「同じ家に住み生活を共にする者」という意味合いまで含めて用いられる表現(実用日本語表現辞典)
※ 法律上の親族:「六親等内の血族」「配偶者」「3親等内の姻族」を総称して「親族」と規定されている(民法第725条)。「養子と養親及びその血族」も養子縁組の日から親族関係を生じる(民法第727条)。
▶ 病状説明時の問題と対応:Q2. 法律上の家族でない方への病状説明はしていけないか?
・本人の希望がある場合には、その第三者に説明を行うことが可能。あとから確認できるよう、患者の希望する相手やその時の説明内容をカルテや書類に残しておくことを推奨。
(例)「今から病状説明を行います。〇〇さんお一人で聞かれますか、同席の方と一緒に聞かれますか。」
▶ 病状説明時の問題と対応:Q3. 第三者に病状説明をする際、その範囲に制限はあるか?
・法律上の制限はない。ただ、キーパーソンとなり得るような、患者と一定の関係を有する第三者を対象とすることを推奨。
※ キーパーソン:患者と生活を共にしている方であったり、患者の療養に一定の関与をしている方など、患者とよく話し合って決める。法律上の家族や血縁関係に限らず、法律婚やパートナーシップ宣誓をしている間柄でなければならないわけではない。
▶ 病状説明時の問題と対応:Q4. 病状説明を希望する第三者がいるか、本人に尋ねる際の留意点は?
・望まないカミングアウトを要求しているわけではないと理解してもらうことが重要。希望を尋ねる必要性も合わせて伝える。
(例)「言いたくなければ言わなくても大丈夫です」
・関係性については問わない、記載しないという選択もある。
▶ 病状説明時の問題と対応:Q5. 緊急時に誰に病状説明を希望するか患者に意思確認できない場合に備えて、医療機関としてできることはあるか?
・ふだんの通院時にあらかじめ意思確認をしておく(かつ記録)、患者に緊急連絡先カード等の利用や携帯を勧める、などが考えられる。
※ 緊急連絡先カード(福岡市社会福祉協議会)(レインボープライド愛媛)
▶ 病状説明時の問題と対応:Q6. 患者の直接意思確認できない場合、医療機関はどう対応すべきか?
・従前の意思が確認できたり意思を推定できるものがある場合は、患者の意思に基づきパートナーへの説明が可能。
・従前の意思確認がなく意思を推定できるものがない場合、「家族だから大丈夫、家族でないからダメ」と一括りにはできない。
(例)家族内暴力に及んだ(かもしれない)配偶者が、怪我をして意識不明の患者の様態をしつこく医療機関に尋ねてきた。
<参考>
・医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイダンス(厚生労働省個人情報保護委員会)
LGBTQ+と健康問題
前項目に引き続き、LGBTQ+に関するレクチャーの要約です。
私は医療者ですので、医療に関する問題とその対応に興味があります。その前に、LGBTQ+の人たちが抱えがちな健康問題とその背景を探ってみましょう。
ポイントと感じた箇所を備忘録として残しておきます。
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▶ LGBTQ+の人たちは様々な健康問題を抱えやすい
・うつ、不安障害、自殺企図、喫煙・飲酒・薬物使用のリスクが高い。
・HIV/AIDSを抱える人のうち、半分以上が男性同性間の性的接触が原因。
・レズビアン・バイセクシャル女性はがん検診受診率が低い。
・・・これらの問題は、社会における偏見や、マイノリティストレス、スティグマが影響していると考えられる。
▶ 健康の生物学的要因と社会的決定要因
1.生物学的要因:遺伝子、生物学的性、年齢
2.社会的決定要因:制度(福祉/就労/教育/交通・・・)、住む場所、国籍、人種、雇用形態、教育歴、ジェンダー、性的指向、性自認、生活習慣(健康関連行動)
・・・生物学的要因より社会的決定要因の方が圧倒的に多い。
▶ セクシュアリティ(性的指向・性自認を含む)は健康の社会的決定要因の一つ
地域・文化・医療の歴史
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社会の差別・偏見
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医療者の適切な知識・対応の不足
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LGBTQ+の人々の困難さ・健康問題:いじめ、不登校、貧困、社会的孤立、メンタルヘルス
・・・LGBTQ+の人々の困難を生じさせる構造に医療者も加担してしまっている。
LGBTQ+の基礎知識
私は小児科専門医&アレルギー専門医&性教育認定講師の資格を持っています。
性教育関連の某セミナーを視聴していてLGBTQ+に関する「e-learning」があることを知りました。レクチャーを視聴してミニテストをクリアすると、「Ally」(アライ)を表明できる、というシステムです。
ちょうど先日、「52ヘルツのクジラたち」という映画を観て思うところがあり、興味を持って視聴し始めましたが、私の思い込みを補正し、かつ知識を足してくれる有用な内容でした。そしてミニテストは全問正解しなければ次に進めず、結構難しい。
一応すべてクリアして「Ally」を表明できる資格を入手しました。勉強になった内容を備忘録として残しておきます。
LGB(性的指向)とT(性自認)は別の概念・分類なので、両方に当てはまることもあり得ることを初めて知りました。つまり、L&BやG&Bなどもあり得るということ。
小児科関連学会での講演では「最近はLGBTQという言葉よりSOGIという単語の方が多く使われるようになってきた」と耳にするようになりました。
何しろ、ちょっと複雑な知識体系なので、時々振り返り確認する必要がありそうです。
<シリーズ内容>
1.LGBTQ+の基礎知識
2.LGBTQ+と健康問題
3.LGBTQ+と医療問題
4.LGBTQ+と医療問題:カミングアウトへの対応
5.LGBTQ+と医療問題:医療者側から当事者への質問集
6.LGBTQ+と医療問題:医療者同士のQ&A集
▶ LGBTQ+の頻度
・日本国内の調査では3〜10%
▶ LGBTQ+とは
L(レズビアン):女性同性愛者(性自認・性的指向がともに女性)
G(ゲイ):男性同性愛者(性自認・性的指向がともに男性)
B(バイセクシャル):両性愛者(男女いずれも恋愛・性愛の対象となる)
T(トランスジェンダー):出生時に割り当てられた性別と性自認が異なる
※ シスジェンダー:出生時に割り当てられた性別と性自認が一致している
Q(クィア):性的マイノリティを広く指す言葉として主に当事者に用いられる
Q(クエスチョニング):セクシュアリティを決めたくない、探索中の人
▶ LGBTQ+の意義
・その性のあり方を生きる人が声を上げるために、社会に届けるために、自分たちを表すために、連帯するために使い始めた言葉。
・たくさんの性のあり方を表す言葉がある。
(例)パンセクシュアル、A型陽性。セクシュアル、アロマンティック、エックスエンダー、ノンバイナリー、ジェンダーフルイド、etc・・・
・「自分がありのままで自分」と言えるために使う言葉
▶ LGBTQ+の内容
・LGBは「性的志向」(Sexual Orientation, SO)に関する話
・Tは「性自認」(Gender Identity, GI)に関する話
・QはSOとGIどちらも含む性の多様性全体を表す。Qに+をつけて、LGBTの他にもある多様な性のあり方を示す。
・セクシュアルマイノリティ(性的マイノリティ、性的少数者)の総称としてLGBTQ+という用語が使われることもある。
▶ SOGIという言葉
・SO(性的指向)、GI(性自認)はLGBTQ+かどうかに限らず、すべての人に関わること。
Sexual Orientation:性的指向・・・恋愛や性愛の対象となる性
Gender Identity:性自認・・・自分の性をどう認識しているか
▶ セクシュアリティを理解する〜性のあり方を分解して考える
1.性自認:GI(Gender Identity)こころの性
・自分の性をどう思うか
・自分にとってしっくりくる性
2.生物学的性:からだの性
・出生時に指定された性:Sex Assigned at birth
・身体的・生物学的な性:Biological Sex → トランスジェンダーでは薬物療法(ホルモン療法)や外科的療法で変化がある場合あり
3.性的指向:SO(Sexual Orientation)好きになる性
・恋愛や性愛の対象となる相手の性
4.性表現:Gender Expression → 見えるのはここだけ
・身なりや言動や素振りなど外見に表現する性
▶ 性のグラデーション
上述の性自認(こころの性)、生物学的性(からだの性)、性的指向(好きになる性)、性表現はすべて、男女の二元論だけでは語れないグラデーションである。
▶ 医療とLGBTQ+の歴史
・多様な性のあり方を「精神病理」の枠組みで捉えて「治療」しようとしていた過去がある。
→ 性自認・性的指向そのものを変えることは、いかなる場合においても治療対象ではない。強引に進めると、うつ、不安障害、自殺など深刻な被害をもたらす。
・病理化(疾患・傷害として定義)した過去と脱病理化(多様な性のあり方として捉える現在)の歴史。
・医療がLGBTQ+の人々に対するスティグマ・偏見を作り出した歴史があり、現在も影響が残っている。
▶ 医療とLGBTQ+の歴史:同性愛(性的指向、Sexual Orientation, SO)
・DSM-IIまでは「同性愛」は精神疾患リスト内に
・1987年:DSM-III-Rで完全に削除 → 脱精神病理化
WHO「同性愛はいかなる意味でも治療の対象とならない」
▶ 医療とLGBTQ+の歴史:トランスジェンダー(性自認、Gender Identity, GI)
(DSM)
1980年:DSM-III Gender identity disorder(性同一性障害)
2013年:DSM-V Gender dysphoria(性別違和) → 脱障害化
(ICD)
〜ICD-10までは精神及び行動の障害
2018年:ICD-11 Gender incongruence(性別不合)
Conditions related to sexual health に → 脱精神病理化
▶ DSD(Disorders of Sex Development、性分化疾患)
・「からだの性」のグラデーション
・DSDs:Differences of Sex Development, からだの性の様々な発達、と呼ばれることもある。
・性分化の過程で、染色体 → 性腺 → 外性器の性が発達するプロセスのどこかが非典型的である状態、と定義される。
・いくつかの疾患を総合した用語
(例)Turner症候群、AIS(アンドロゲン不応症)、CAH(副腎過形成)など数十の疾患群
・DSDを持つ人々にとって「中性」「男性でも女性でもない」と表現されることは重大な心的被害をもたらすことがある。
・DSDの人々の中にも性自認や性的指向の多様性がある場合もあるが、そうでない場合、LGBTQ+の文脈で語られたくないと感じる人もいる。
▶ 社会でLGBTQ+の人は様々な差別や困難に直面する
・異性愛や男女二元論を前提とした社会では、LGBTQ+の人々は様々な場面で阻害されやすい。
1.教育現場
・学校でのいじめや不登校の経験
2.就労
・職場での性自認・性的指向を理由としたハラスメント
3.婚姻
・同性同士の二人の間で婚姻関係を結ぶことができない
・同性パートナーの子どもの親権を得られない
4.医療
・・・今回はここまでにします。次回以降、健康問題・医療問題について記す予定です。
HPVワクチンの正しい知識と誤解2026
HPVワクチンは勧奨接種が再開してからも接種率が低迷しています。一度マイナスイメージが付いた事象はなかなかその影響から抜け出せない、という現象がここでも働いているようです。
それを紐解いて崩していくのは、信頼できるソースから正しい知識をひたすら発信することしかありません。
私は小児科専門医かつ性教育認定講師の資格を持つ小児科医です。
HPVワクチンに関する有用な記事が目に留まりましたので、私がポイントと感じた個所を引用・抜粋しておきます。
<基礎知識>
・HPV(ヒトパピローマウイルス)はその種類が200以上存在し、性的接触のある人の80~90%が感染し、その結果として病気を引き起こす可能性がある。
・HPVの種類のほとんどは低リスク型で、感染しても症状が出ず、すぐにウイルスが自然に排除されて気づかないことも多い。低リスク型のHPVはイボ(皮膚にできる疣贅(ゆうぜい)、性器や肛門などにできる尖圭(せんけい)コンジローマ)をつくることがある。高リスク型のウイルスを長期間保持すると、子宮頸がんなどを発症することがある。
・高リスク型の多くは、ワクチンで予防できるが、米国や日本では、十分に接種が進んでいるとは言えない(2024年の調査では、アメリカで約63%、日本で約57%)。一方、オーストラリアでは男女とも、若いうちに広くワクチン接種を行うことで、WHOの子宮頸がん撲滅基準値をほぼ達成できている。
・HPVはほぼすべての子宮頸がんの原因となっていることから、女性のワクチン接種が注目されるが、米国の場合、実際には男性のHPV由来の咽頭がんのほうが、HPVによる子宮頸がんより年間の症例数が多い可能性がある。
※ 日本では男性は国による公費での接種の対象外だが、ワクチンの種類によっては自費での接種が可能なほか、主に小学校6年〜高校1年相当の男子を対象に費用を助成する自治体もある
・「シルガード9」というHPVワクチンは、7種類の高リスク型を含む9種類のHPVに効果があり、HPV由来のがんのリスクを90%以上下げる。
・親が子のワクチン接種をためらう大きな理由のひとつは、HPVが性行為に関わるウイルスだという点にあるが、思春期の早いうちに接種しても、傾向として性交渉が早まったり、性行動が変化したりする証拠は一切ない。
<HPVに関する誤解7つ>
・すべてのHPVががんを引き起こす
→ ほとんどの型のHPVはがんを引き起こさない。
・HPVが引き起こすのは子宮頸がんだけ
→ HPVといえば子宮頸がんという印象もあるが、このウイルスは肛門がん、膣がん、外陰がん、陰茎がん、口腔がん、咽頭がんの原因にもなる。つまり、女性だけでなく男性もHPVによってがんを発症する可能性がある。
・HPVの感染経路は性交渉だけ
→ HPVの最も一般的な感染経路は、性器同士の皮膚や粘膜の接触だが、感染経路はほかにもある。まれに、出産などの非性的な接触でも感染することがある。どんな形であれ、皮膚や粘膜に接触すれば、そこから感染する可能性がある。
・コンドームを使えばHPVに感染しない
→ HPVは、体液ではなく皮膚接触で感染するため、コンドームを使っても感染する可能性がある。リスクは70%ほど低下するがゼロにならず、ワクチンや検診ほどの予防効果もない。HPVによる症状は外陰部、膣、肛門周辺にも現れる。
・HPVを広げるのは男性だけ
→ 性別に関係なく、すべての感染者から広がる。同性間の関係でも感染するし、口と性器との間で感染することもある。
・男性がHPVに感染しても症状はない
→ しかし男性でも、HPV由来のイボや腫瘍を発症する。性器にイボができた場合、低リスク型のHPVであることがほとんどであるが、陰茎の皮膚が変化したり、腫瘍になったりしている場合は、診察を受けるべき。
・HPVに感染すると生涯感染が続く
→ ほとんどの女性は、HPVに感染しても、半年から1年でウイルスは排除される。男性も同様。体の免疫系のおかげで、高リスク型のHPVであっても、やがて完全に姿を消す。危険なのは、一部でがん性のある高リスク型への感染が長期間続くことであり、癌の発生につながる。
<参考>
■ 大半の人が感染するウイルスHPV 基礎知識と誤解7選